クラウド・ファンディングやることに(後半)

「DANA.io」(https://dana.io/)というクラウド・ファンディングのサイト

 

数あるクラウド・ファンディングのサイト中で、Angeleが教えてくれた「DANA.io」は奉仕の精神に基づいたプラットフォームで、社会を良くしよう、助けが必要な人たちに手を差し伸べよう、ということを信念にしているサイトです。

最も有名なKickStarterは目標額に達しなかった場合は、一銭も受け取れないことになっています。

クラウド・ファンディングの先駆け、IndieGoGoは目標額に達しなかったとしても、集まった額を受け取ることを選択できます。

いずれのサイトも集まったお金の数パーセントをサイトに支払うシステムですが、DANA.ioではその規定がありません。集まった額は全額、キャンペーン主催者のものとなり、何パーセントをDANA.ioに寄付するかは自分で決められます。

 

このサイトにキャンペーンをやりたいと申し込みをした直後に、DANA.ioの代表からメールがきて、スカイプでミーティングをスケジュールしました。申込者一人一人と代表が実際に話をして、なぜキャンペーンをする必要があるのか、それが社会に貢献するのかを代表が見定めるのです。代表のAlan Clementsという年配の男性は「僕もヨガをずっとやってきたから君のやりたいことは理解できる」「君の全身全霊で取り組んでほしい。みんなの助けが必要だということを真摯に訴えれば、助けの手は必ずある」と言ってくれました。本当に勇気づけられました。彼自身、ミャンマーのお寺で長年修行を積んだ仏教僧なんだそうです。Alanと直接話せただけでも今回のキャンペーンはやった甲斐があったと思います。


  

 

サイト、ビデオの作成・・・ああタイヘン

「オリジナルであること」「ユニークであること」「人の注意を惹付ける内容であること」成功するキャンペーンにとっての、いくつか必須の要素です。

ウェブのエキスパートで、最近ムービーを作ることを生業にしようとしている友人に「簡単な無料の映像編集ソフトって何がいいかな?」と相談したら、「俺やってあげるよ」と言ってくれました!持つものは友だなあ、とマジで感謝。打ち合わせして、台本を作って、彼のスケジュール空いてる日に代々木公園でナレーションを撮影。

他の素材は、朝ヨガクラスの様子を、パートナーに早起きしてもらって撮影してもらい、私は電車や車に乗る機会にiPhoneでムービーを撮ったりして集めました。

素材を友人に送り、編集をお願いしたんですが、彼は「人からお金をもらおうというんだから謙虚であるべき」といい、私は「このキャンペーンの特徴は私が東京にいる、ってことなので、ガイジン向けに東京の絵を、とにかくたくさん入れてほしい」といい、お互いうーん、と唸りながら、何とか落としどころが見つかりました。そのムービーはこちらで見ていただけます。https://dana.io/ErikoYoga_FromTokyoToBali  

 

 

ギフトどうしよう・・・

寄付してくれる方へのギフトも考えないといけません。過去に仕事をした海外の音楽関係者にカンパをお願いしようとしているので、直接ヨガクラスを指導したり、物を渡したり、ということがほぼ出来ないのが前提。バーチャルでお礼が出来る内容、さらにギフトが興味を引くものなら、キャンペーンの魅力も上がるので、ここもずいぶん考えました。いろんな人からのアイディアも参考にさせてもらいました。

 

自分が日本人であること、私が東京に住んでいることを活用しよう!そういう訳で「あなたの名前を日本語で書き、画像にして送ります」「日本語のフレーズ教えます」「簡単な和食の作り方教えます」といったギフトを考えました。さらに大きな額を寄付してくれた方には「あなたが東京に来たらツアーガイドとして案内します」というのもくっつけました。海外のお客様をアテンドするのは私が得意とする分野ですから。

 

 

でもやっぱりこわい

以前、アーティストマネージメントをやっていましたが、その仕事のひとつはアーティストを売り込むこと。つまり営業活動。これを私は苦手と感じていました。今もです。人に物事を頼む事は心労の負荷が大きいことです。お願いしても拒否されるんじゃないか、嫌がられるんじゃないかと恐怖が常につきまといます。

その拒否が怖いから、最初から動きたくない、でもやらないと前へ進まない、という葛藤とたくさん闘ってきました。しばらく忘れていた同じ葛藤が今回起こりました。

でも、何度も何度も「捨てるものは何もないんだから、とにかくやってみよう」「私の事を良く思わない人は必ずいる、だからどうした」などと自分に声をかけました。今も不安が顔を出したら、その不安をしっかり受け止めて味わってから、しばらくすると自然に「いや大丈夫」と思えるようになる、という繰り返しのプロセスを続けています。

 

 

クラウド・ファンディングのススメ

誰かが何かやりたい、と思っている話を聞いて「いいね!おもしろい!実現したらいいね、応援したい」と思う事、ありますよね。

クラウド・ファンディングは、その誰かの願いを世の中へ発信する場であり、そのために必要な経済力に対して、「全額サポートは無理だけど、ちょっとならカンパできる」と思う私たちに、サポートの場を与えてくれるんです。日本では「募金」というと災害などで困った人々に手を差し伸べるイメージしかないですが、もう少し身近に「募金」「カンパ」があってもいいんではないでしょうか。

 

たとえば近所のパン屋さんが「石釜オーブンがあったら美味しいピザが出せるなあ」と願うとき、「あのパン屋が作るピザならきっと美味しいだろう。食べてみたい!」思うお客さんがいて、おいしいピザを実現させることが出来ます。そんな他愛無いことでも実現する場なんだと思います。

小さなビジネスを運営する人や会社が、銀行からお金を借りなくても夢を実現できる。やってみたいことがあるけど資金が必要という、サポートを求める人、サポートを提供したい人をつなげる場があるんだとしたら、素敵じゃないですか?小さな私たちの力が少しずつ社会を変えて行くことが出来るかもしれない。クラウド・ファンディングに関わって私が感じる明るい未来です。

 

 私のキャンペーンを見てみよう!と思ってくださった方はこちらをクリックしてください。